コスパの落とし穴

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コスパの落とし穴」

コスト・パフォーマンスとは何かを考える時に、やはり低コストがよしとされる「常識」を疑ってかからないとならないようです。


低コストの落とし穴としてあげられるものを書きます。

・本当に必要かを疑わなくなってしまう

例えばホステルでは、ロッカーに鍵をかけねばなりません。しかし、もし持ち歩いている物がロッカーに入れるほど無ければ鍵は不必要になります。また、外国の空港で、帰国前にお土産を買って外貨を使い切らないといけないといけない状況になったとします。なぜなら海外で稼いだお金は海外で使った方が得だからです。しかし、そのお土産は本当に人にあげたいものなのかどうか、よく考えなければなりません。行きずりの人にお金をぽんと渡すという手放し方だって別にいいはずなのです。

・その常識は変えられるかもしれないと考えられなくなってしまう

例えば米を多めに買っておくとします。たくさん買えばお得です。しかし、自分の食生活に本当に米は必要なのでしょうか。
また、安くて長持ちという理由で買ったLED電球が、あなたの部屋のイメージにあっていないとします。毎日、自分の部屋のイメージとちょっと違うなと違和感を抱えながら生活していると、やがて自分の性格にまで影響してきます。

・安いものを買っている自分というレッテルを自分でつけてしまう

お金を介すると、価値は相対的なものになります。私も100円ショップでリーズナブルないいものも購入しますが、間に合わせで購入したものは気づくと手放したり、足かせになっていることに気づきます。そんなにこだわらなくてもいい、と思いながら持っているものに囲まれているという意識が自分の思考にまで影響してきます。  


ただし、とても素晴らしいものがたまたま安価であることはありますね。

《落とし穴から出るには》

・ローコストであることは目的ではないと思い出そう(目的はハイパフォーマンス)

ローコストに飛びつくのは、人は「今すぐ手に入れられる」ことに価値を見出しがちだからです。例えばPCは昔は20万以上するのが当たり前でしたが、今はタイミングがあえば秋葉原Mac book Airが新品4万円で買えます。速達便は2倍以上の値段がかかります。映画の当日券は予約よりも高いのです。

・本当に欲しいものを選ぼう

しかし、本当に自身が欲しいのかどうかを熟考してから手に入れても遅くはありません。飛びついたあと、手にしたものがガラクタだと気づいてからだと遅いのです。そうやって様々なガラクタに飛びついているうちに、本当に欲しいものが目の前に現れた時にはもうへとへとになっているかもしれません。その時に出せるあなたのパフォーマンスはとても低いものでしょう。

・待ってみよう

だから、「待つ」ということはミニマリストにとってとても大事なことなのです。待つことの中には、メンテナンスも含まれるでしょう。別に徹夜をするなというわけではありません。徹夜をしても厭わないほどやりたいことがあることを見つけられたなら、そのパフォーマンスをより良いものにする為に、どのように体調を整えれば良いか自ずと考え始められると思います。

低コスト追求ではなくハイパフォーマンス追求。それが、パフォーマンスそのものに集中させてくれるのではないでしょうか。


お返事

id:choudoiisaizu 何か欲しいもののための手段を目的と取り違えがちですよね。改めて意識したいです。

id:cocoquet パフォーマンス学を短期学習していた時、とても素晴らしい言葉だと思っていた「コスパ」ですが、誤用も多いので改めてパフォーマンスの方に集中したいです。

id:ak66g Value for money という行政の専門用語があるのですが、日本では1999年7月にPFIの促進のためのPFI法が制定されています。支出額に対して、最も価値の高い行政サービスを提供するという考えが、「Value for money(VFM)」です。行政も民間から多くを学び、コストを下げて、よりよいパフォーマンスを出しましょうという感じです。2000年に入ってから不景気と行政の支援金を調達するコンサルなどの台頭で、コストパフォーマンスなどの言葉が経済学から独立して、今は一人歩きしているように思います。2010年以降はみんなじわじわ貧乏になってきているので、コストを下げるという価値観が当たり前になってきます。(なんか壮大な返信になってしまいました。)言葉に振り回されず、よりよい生活を考えていきたいですよね。