違国日記(4)

いちおし、違国日記の4巻が出ました。

4巻で、なんと「一緒に歩き始める」とは…!!

今までの表紙は、1〜3巻へ、違う方向をみている状況から、顔を向き合わせるところまで変化していたんですね。

「このあと、もう目線を合わせちゃったし、どうするんだろう」と思っていたら、

意外かつ納得感の深い、「一緒に歩く」になっていた。

さすがだ・・・。

 

また、4巻は、2〜3巻のような、苦しくて場合によっては読めないレベルの攻防はなくて、むしろ、えみりへのモヤモヤがすっきりしてきました。えみりが「姉さん」に似ているのは、やはり意味があるんだろうか。「姉さん」の姿が、どんどん浮かび上がっていくのが、胸を締め付けられるような気持ちにさせられます。小説家であるまきおちゃんの言葉、一つ一つが意思を持って、この秩序のない世界で輝くように感じるな。

 

あと、他のかたの批判的なレビューで多いのが、「展開が遅い」というもの。ええ・・・、これは日常の中の些細なことを、言葉にして整理してみて、じっくり読み進めるような、生活を読む物語だと思っていたので、展開が遅いというのはちょっと違うんじゃ・・・。もし展開が早いものが読みたかったら、同作者の三角窓のほうがいいのではないかな。

 

 試し読みも出ているしおすすめですよ。

 

まとめ:だんだん、心が通い、適切な距離で歩み始めている叔母と姪の、それぞれのこだわりを擦り合わせていく共同生活。ラスト(高校三年生の朝)の仲良し具合が、すでに1巻で示されていて、わかっていても、そこに至るまでの展開を楽しめる良作。