【本】デザインの伝え方 組織の合意を得るコミュニケーション術

 

デザインの伝え方

デザインの伝え方

 

おすすめの人:デザインの合意が得られず困った人 

 

コミュニケーション術の本というだけあって、エピソードに基づくオススメのコミュニケーション術が掲載されています。

 

方法にコミットする

実際は、「コミュニケーションの上手な人はデザイン(基礎・制作)の上手な人をたて、かつ、デザイン(基礎・制作)の上手な人はコミュニケーションの重要性を無視しない」というのが大事かなと思います。

私はコミュニケーションは結構うまい方で丁寧な進行に自信があるんですが、やっぱり地雷はいますし、新規案件は地雷をうまく踏まずに、契約後には「この人いやなひとだな」ではなくて「何かコミュニケーションを円滑にする方法があるはず」という姿勢で行けたらいいなと思っています。

 

重要→何かコミュニケーションを円滑にする方法があるはず」という姿勢

方法にコミットするということですね

 

忙しいクライアントとのコミュニケーションのとりかたについて私の実践

クライアントは忙しい(または自分は忙しいと思っている)

→笑

→これの攻略方法として、以下が私のおすすめです。

  • Facebook メッセージでやりとりする(進捗画面を見てもらったり、文字ややじるし、丸を書き込めて便利です)
  • 進捗メールを送った後、1度だけ電話凸する(進捗メールは返信不要とかにしたり、忙しくて反応が返せないこと自体を絶対に咎めず、理解をしているということを示す)
  • 最初に対面ミーティングをディレクターを雇って行い、イメージを固めておく(参考サイトは一つに絞る)

ダミーテキスト

 

p.74

ダミーテキスト、ダミー画像に気を取られ、これを直して欲しいというクライアントはかなり多くいます。

 

ダミーテキストを目にしたクライアントが「変ね。ちんぷんかんぷんだわ。学生時代にラテン語を習ったのに、なぜかしら」と首をかしげ(そもそも文章の内容に気を取られないよう故意に意味不明にしてあるダミーテキストなのですから、わからなくて当然なのですが)、しまいには音読までやり出す始末。

4.1 気の散る要素は排除しておく p.74

 

「助っ人役」を頼む

あらかじめ「助っ人役」を忍び込ませておくというのは、テレビや教育漫画でよくやる手法です。話の流れ・説得の流れを作るというわけですね。ちなみに私が最近好きなワールドトリガー17巻148話・149話でも「助っ人役」を説得時に滑り込ませておく手法が取られています。必ずしも賛成するだけではなく反対させて、その撃退策も提示するという演劇的手法ですね。(仕込みとかも言います。

会議に出席しているデザイナーが10人いて、おのうちの9人があなたのデザインを支持してくれていたら?おそらくステークホルダーも支持してくれるのではないでしょうか。

4.3 「支援の輪」をつくる p.85

会議でも、頃合いを見計らって巧みな質問を挟んだり、外してはならない要点を念押ししたり、あなたが提案したデザインを支持したりしてくれる「助っ人役」を是非とも確保しておきたいものです。

4.3.1 「助っ人役」を頼む p.85

「いや、そんなに人材裕福じゃないよ!!!!!!!」って方は、次にいってみましょう

あなた自身のチームです。(略)

別件で一緒に仕事をしたことのある人とか、あなたの所へぶらりと立ち寄り、開発中のデザインを目にして、プロジェクトに興味を持ってくれた人とか。 

4.3.2 まずは「味方の予備軍」をみつける

 

デザイン決定の根拠をチームのメンバーと一緒にリストアップすることも、本ではよしとされています。

あと、個人的には以下もいいと思います

 

  • そもそも仕事紹介してくれた人に味方についてもらう(これこそ支援の輪って感じ)
  • 契約内容によるが、クライアントに信頼のおけるデザイナーに内容を見せていいか確認して、友人デザイナーの発言を引用
  • インフルエンサーの発言の引用 

 

そのほか、ためになったこともいくつもありました。

  • 明示的傾聴→聞いていますよ、と、目に見えるように(これみよがしに)メモをとる
  • アクセス可能なメモにする
  • 系統的なメモにする
  • 質問「どんな問題を解決しようとしているのでしょうか?」
  • Yesから始める
  • 自分らしく振る舞う(虚勢をはらない)

 

Yesから始める(そして自分の都合のいい方向に持っていく) という手段はよく使います。本当に演劇をやっていてよかったなあと思うポイントですね。他にも、「目立つミスをして気を迷わせ、そこだけを直してと言わせる」とか、いやらしい手ですね。デザイナーだけでなく、ディレクター・エンジニア・発注者・アーティスト、色々な人に読んでもらいたい本です。

 

まとめ:デザインの合意が得られず困った人にはテクニックが必要