水仙月の四日

 

↑これだと中古で値段がつり上がってるので 

 

 

宮沢賢治童話集―心に残るロングセラー名作10話

宮沢賢治童話集―心に残るロングセラー名作10話

 

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Recommended by Kae Fujiwara まず、本を探す時に、「あ、翻訳者を選ばなくてもいいんだ。宮沢賢治は日本語で書いたんだ」と思って、妙に感動しました。

 

私は、母に眠る前によく本を読んでもらっていたのですが、その時はストーリーの行き先ばかりを気にしていましたが、今は日本語のひとつひとつが持つきらめきのようなものに耳を傾けることが出来、嬉しいなあと思います。

 

賢治の日本語のひとつひとつの言葉と連なりが、いくつもの情景に繋がっていくので、視覚的な世界観だけではなく、何か触れていることだったり伝わっていることだったりのほうに集中することもできるんだろうな、と思います。

 

ユキワラシの白のまばゆさ、赤いチロチロとした舌の鮮烈さがまぶたの裏に映るかのように、色彩が豊かで、1ページに10色くらい出てくるし、その色に冷たさや熱さやざらっとした肌触りみたいなものを感じる語りだなあと思いました。

雪婆んごの眼は闇のなかでおかしく青く光るし雪狼の口から青い焔がゆらゆら燃えるし、東のそらが黄ばらのように光るし、桔梗いろの天球だし、頬はりんご色だし、鮮やかに鮮明に放った色に眼を奪われている間に、こわいことが起こっているような、救いがあるような、情景が脳裏をゆさぶって離さないようでした。