recommended by Yuri Uemura. 象にかんしてこんな表記するデパートメント無いだろう!とつっこみつつ、こういった乾いた気配を好む人間の人生に触れられる面白さのある本。小さい頃に、寄り添ってくれた大人が「大人の世界」を見せてくれた記憶は、大人になっても大事に心の中で明かりになってくれる。ただ、見せてくれた世界は、正確には「大人の世界」ではなく、「私と寄り添ってくれた大人だけの、秘密の、閉じられた世界」だったのだなあ、と、今ならわかる。そういう世界を見せてくれる大人は、その世界を「大人の世界だよ」なんて言って勧誘しない。子供のペースを見て取り、自分の心の中の大事な部分だけを、そっと教えてくれるような人なのだ。
バスの中までは、結構ゆっくり読んだので、チョコレートが食べたくてしょうがなくなった。パウンドケーキも。