タイトルではまさか「婚活」のシビアさが描かれているとは思っていませんでした!
そのシビアさが、「美味しくて旅気分も味わえる海外料理レポ」により中和されており、コミカルに読める。トラウマがある人でも楽しく読めるレベルです。
私も結婚相談所を利用して結婚をしたのですが、
結婚相談所に入るときのハードルの一つとして、
自分の価値観と婚活で求められる女性像のギャップがありました。
私は女子大でマイノリティの権利や歴史について
学んでいたのでそのギャップが苦しかったです。
“男性の家庭に対する主体性は著しく低くまた経済的な理由から実質求められているのは“仕事ができて子どもを産めて家事育児に夫の世話とご機嫌とりと介護をする若い女性”でありめまいが止まらない”
ー同書 p.166
など、めちゃくちゃリアルである。
だけど、主人公が(努力した上で)仕事ができて、(さまざまな葛藤がある上で)美味しいものに素直で(さまざまな葛藤がある上で)自分を愛するところが、とても素晴らしいのです。
婚活市場は、
「女性の尊厳踏み躙ることが通常になってる人ばかりの場所なんだろうな・・・」という、
思い込みもありましたが、
そもそも相談所で配られる資料なども
ダブルスタンダードばかり。
婚後の男性は
自己中心的で依存的な男性というのが
社会に多くいて、それが許されている。
支配的な男性も多くいる。
そんな中で、自分の尊厳を守りつつ、婚活に挑むすっちんを応援したくなるのです。
これから婚活に挑む人にも、異国料理に飢えている人にもおすすめの一冊です。