物語のおわり

 

物語のおわり (朝日文庫)

物語のおわり (朝日文庫)

 

 少し古い感じの最初の短編が、物語の中の物語として、重要な鍵になってくる。私は最初の古いテイストの短編に浸ることが出来たので、とても良かった。また、短編は私にとっては「さっきまで仲良くしてた人の話が急に終わり、また知らない人に出会わなければいけないので疲れる」といったデメリットがあったのだけど、緩やかに前回出て来た人々が顔を出してくれるので、重たいエピソードが続くわりに、癒しも多くある。私にとっての読後感は、心地いいものだった。北海道の光景が目の前に広がるみたいな。